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Tirant lo Blanc

Joanot Martorell
Tirant lo Blanc Capítol CXVIII (japonès)

第百十八章

皇帝の娘を見ている間に、ティランの心はいかに愛の女神ビーナスの矢に射抜かれたか

 耳では皇帝のことばを注意深く聞いていたものの、ティランの目はカルマジーナの美しさに釘付けになっていた。窓が閉まっていたので、室内はひどい暑さである。カルマジーナは胸元をはだけ、天国の水晶のリンゴのような両の乳房がのぞいている。ティランはそこから視線をそらそうとしてもそらすことができない。そしてついに死が二人を分かつまで、ティランの眼差しはこの奔放な女性の虜となって逃れられることはなかったのである。ティランの目は確かにいままでに数多くの名誉や愉しみを映しては来たが、たとえ一目とはいえカルマジーナを見ることによって得られる栄養に勝る栄養を与えられたことはなかったのである。皇帝は娘のカルマジーナの手を取って部屋の外に連れ出した。元帥ティランも皇后の手を取って、見事に飾られた別室へと移った。部屋の周囲の壁には様々な愛の場面が描かれている―フローリスとブランシュフルールの愛、ティスベとピュラムスの愛、アエネーイスとディドーの愛、トリスタンとイゾルデの愛、グィネビア王妃とランスロットの愛、等々、すべて繊細で芸術的な筆致で表現されている。ティランはリカールに言った。
 「今、目の当たりにしているような素晴らしいものがこの世にあろうとは信じられぬ」
 ただし、ティランは絵よりも姫の美しさのことを指して言っていたのだが、リカールにはそれが分っていなかった。
 ティランはその場を辞し、宿に戻ると、寝台の足元の座布団に頭を埋めてしまった。やがて昼食の用意ができたと知らせに来たが、ティランは頭が痛いのでいらないと断った。ティランは多くの男の心を狂わせる激情に苛まれていたのである。ティランが出てこないので、ディアフェブスが部屋に来てこう言った。
 「元帥殿、どこが悪いのか教えてください。なにか薬がご入用なら、喜んでお持ちしますので」
 「我が従兄弟よ、どこが悪いのか今は言うわけにはいかぬ。海の風 にあたっただけだ」とティランは答えた。
 「なんとおっしゃる元帥殿!私にかくしごとをなさるのですか?悪い事も良い事も今まで私にはすべて明かしてくださったではありませんか。それなのに、こんな些細な事で私をつんぼ桟敷に置こうとなさるのですか?どうなさったのか隠さずに、どうかおっしゃってください」
 「これ以上私を苦しませないでくれ」とティランは言った。「ただでさえ、今までなかったほどに辛いのだ。いまにもみじめな死に方で死んでしまうか、あるいは幸運の女神が味方してくれて、栄光に包まれた死を遂げるか、そのいずれかだ。こういうことの結末は苦しみと相場が決まっている。愛は苦いものなのだ」
 そして恥ずかしそうに背を向けて、ディアフェブスの方を見ようともしない。その口から発せられることばはただ一つ、
 「恋をしているんだ」だけであった。
 そう言った後、ティランは目からぼろぼろと涙を流して泣きじゃくり始めた。ディアフェブスはこの女々しい様子を見て、ティランが、恋する親類や友人をなぜ今までなじって来たのかが理解できた。「恋をするのは愚か者だけだ。お前たちを憐れむどころか、命さえ取りかねない敵に、自分の自由を捧げて恥ずかしくないのか」ティランは彼らを残らずこう言ってからかったものだ。ところが、その彼が、人間の力ではどうにも抜け出せないその罠にはまってしまったのだ。
 ディアフェブスはこの種の病に効きそうな治療法を色々考え、優しく憐れみをこめてこう話し始めた。

Traduït per Ko Tazawa
Joanot Martorell, Tirant lo Blanc Capítol CXVIII (japonès).
Tirant lo Blanch. Portada de la traducció espanyola. Valladolid, 1511
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